昭和美貌録(1)

暑中お見舞い申し上げます。
このたび、梅雨前線活発化により
大雨で被災された皆様には心より
お悔やみ申し上げると共に一日も
早いご復興をお祈り申し上げます。
りんごの昭和美貌録
ブルーザー・ブロディ
( 1946年6月18日~1988年7月17日 )
「プロレスはチェスのようなものだ」
「放射能だ、私と猪木が戦うと放射能が出るんだ」
「プロレスには5つの要素がある。
フィットネス、クレバー、タフネス、テクニック
ハイスピリッツ、私はそのすべてを持っている」
数々の名言で知られるアメリカ合衆国の生んだプロレスラー。
日本プロレス界常連強豪スターとして80年代を席巻しました。
「文明のキングコング」と称えられ、リングにおいては豪快な
「超獣ギミック」のキャラを貫くも、他方ではその雰囲気から
「プロレス界のイエス・キリスト」とも呼ばれていたそうです。
ブロディ自身の「ヴィア・ドロローザ」( キリストが十字架を
背負って歩いた、通称悲しみの道 )は1988年3月、ジャンボ
鶴田から、インターナショナル・ヘビー級王座を奪取した年の
(その直後、奪回される)ちょうど30年前の本日、7月17日の朝
刺傷によりプエルトリコの集中治療室にて終止符を打ちました。
古代ギリシャの荒ぶる軍神のごとき戦いぶりは、虚空にきらめ
いて砕け散る大華であり、そのギリシャ彫刻のような肉体美は
精神の内部に、憧れというリアルな感触を伝えうるものでした。
今にいたるも、是非とも拙作「残月記」を読んで頂きたかった
外国人の代表格であり(笑)、人生の迷宮にさまよう折に触れ
彼の全盛期の「火のような波打つ激情」に励まされております。
「超獣コンビ」として、世界最強タッグ決定リーグ戦の王者と
なったスタン・ハンセンは、盟友ブロディ亡き後2年目に日本
後楽園ホールで彼の声を聴いたそうですが、不肖わたくしめも
ブロディの叱咤激励にムチ打たれながら、拙作の電子書籍化に
追われる日々、その節はどうぞよろしくお願い申し上げます。